中村の読書日記

読書を中心に、徒然なるままに

好きなことを増やせ!

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「好きなことだけやって生きていく」という提案

「好きなことだけやって生きていく」という提案

 

 

2冊目、角田陽一郎さんの「好きなことだけやって生きていく」という提案を読んだ。

 

「好きなことで生きていく」


誰しも一度は考えることだ。このテーマは巷に溢れていて、
「人生の大部分は仕事なんだから絶対に好きなことにすべき!」というものもあれば、
「好きなことはあくまで自由時間に自分の好きな範囲でできるから素晴らしいのであって、仕事にしたら苦役になったりむしろ嫌いになったりする。だから仕事は稼ぐ手段だと割り切ってこなして、休日に趣味で生きるべきだ」というのもある。


「仕事は別にあんたのためにオーダーメイドされてるもんじゃなくて、この社会を回すために必要な作業のことなんだよ。自分に合った仕事とかほざいてんじゃないよ、まずはあんたが仕事に合わせる努力をしなさい」なんてのもあるね。

 

私の心情は、「仕事をしない生活は廃人まっしぐらだしお金もないので働きたいけれど、正直やりたいことはないし、飲食のバイトは面白くないです。誰か助けてください」である。

 

さて。
ありふれたテーマであるこの本をなぜ選んだかというと、著者の角田陽一郎さんが今マイブームだから。去年、彼の世界史の本を読んだのだけれど、ものすごく面白かった。本の内容はもちろんだけれど、角田さん自身が大変ユニーク。

 

彼は子どもの頃から好奇心が旺盛で、とにかくなんでも面白かったと。学校のお勉強からバラエティ番組からちょっとエッチなものまで、全部面白いと。そんな彼が大学(ちなみに、東大)で専攻したのが歴史。なぜなら歴史という切り口で行けば何を勉強しても構わないから。物理、経済、アニメ、なんでもいける。そして就職はテレビのバラエティ。バラエティというジャンルを選んだのも同じ理由。なんでもできるから。

 

こんな人、いるんですね。その雑食性に驚かされた。この人が書いた本がつまらないわけがない、ってことで本書を手に取ったわけです。

 

内容は、「好きなことで生きましょうよ!で、そのためにはまずとにかく好きなことを増やしまくりましょう!明石家さんまさんとかキングコングの西野さんを見てて思うのは、彼らは好きなことを創造することに長けているということ。好きなことを増やせば自然と好きなことで生きていく確率が上がるじゃないですか。食わず嫌いなんてしてないで、まずは何にでも関心を持つことから始めましょう!あと、大体一人じゃ面白いことなんてできないので、相手にプレゼンする力も必要ですよね。そのコツ、お教えします!」という感じの本。

 

好きなことを増やせば、好きなことで生きていける確率が上がる。すごく簡単なことなのだけど、目から鱗

 

個人的に好き嫌いはかなりある方で、興味ないものには一切触れないのだけど、角田さんは、とりあえず流行っているものには理由があるのだから触れるべきだし、嫌いっていうけどそれは食わず嫌いの可能性もあるからまずはやってみようと説く。そうだよなあ、私が旅を好きになったのだって本当にアクシンデントみたいなもので、乗り気しないままやってみたらめちゃ面白かったからだし。

 

好きなことで生きていくことを勧めるのは、何もそっちの方がハッピーだからという理由だけじゃない。

 

これから、私たちの生活にはどんどんAIがやってくるようになる。AIはまず、私たちがやりたくない仕事から代替していく。つまり、やりたくない仕事を我慢してやっている人間は、近い将来AIに仕事を奪われる可能性が非常に高い。だからこそ、好きなことで生きていこう。いや、これからはもう好きなことでしか生きていけないし、いつしか働けるだけで感謝する時代が来るのかもしれない。

 

この時代に生きていることには当然不安もあるけれど、せっかくなら楽しみたい。そのためにも、まずは好きなことを増やしまくってみよう。良い本でした。

最初の1冊

さて、記念すべき100冊読書プロジェクトの第1冊は、
「人生にゆとりを生み出す 知の整理術」だ。

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人生にゆとりを生み出す 知の整理術

人生にゆとりを生み出す 知の整理術

 

 

私が好きなphaさん(以下敬称略)の新刊。

内容は、著者の知識のおすそ分けということで、インプット、アウトプット、そしてモチベーションやスケジュール管理のノウハウが詰まっている。

まさに知の整理術。

 

個人的には、アウトプット編、ブログのモチベーションのところが参考になった。

彼はかれこれ15年以上もブログを続けているのだけど、それは自分のためにやっていることが大きいと。

人に読んでもらいたい、稼ぎたいという思いもなくはないけれど、一番は「他人に見られてもいい自分の勉強ノート」としての利用にある。

自分が読んだ本の感想や考えたことを、人に見られてもいいようにある程度しっかりした文章にすることで整理され、また後で見返す時も楽なようにタグをつけてネットに上げる。

手っ取り早い勉強法は、人に教えること。

しかし自分が学習した範囲の知識が欲しい他者がすぐに周りにいるかというとまずいないし、人はだいたい自分の話を聞いて欲しいもので、聞き手を探すのにも一苦労。

ならばブログに上げてみよう。

面白がって読んでくれる人もいれば、知識豊富な人が間違いを指摘してくれるかもしれない。

いいアイデアだ。今回の100冊読むという私の目標にもぴったりである。

 

phaの良いところは、努力とか頑張るといった世の中に蔓延している根性論が全くなく、「とにかくだるいしめんどくさいけどそれでもやっていかないといけないのだからまあぼちぼち行きましょうや」という世界観にあると思う。

だから読んでいて疲れないし、何より「ダメ人間の気持ち」がわかっているので、書かれている知識がすごくフィットする。

 

例えば、文化資本という概念。

周りの文化的影響は大きいよという意味で、お金持ちの子供がお金持ちになりやすく、貧乏人の子供が貧乏人になりやすい理由の一つに、環境が挙げられている。

親が本を読む人だと、その光景を何度も見ているうちに自然と子供も本を読むようになり、逆に博打ばかりしていると子供もそっちに流されていきやすい。

脳にはミラーニューロンという神経細胞があって、これが共感などの元でもあるのだけど、相手の行動なのにあたかも自分が行動しているかのように反応する(だから鏡、ミラーという名称)。

この性質が人間に備わっている以上、環境の大きさから人は逃げられない。

だからもし自分が良い大学に行きたいなら勉強熱心な人たちの中に身を置けばいいし、おしゃれでありたいならクラスのおしゃれ連中と友達になって一緒に時間を過ごすと良い。

これは努力を要するものじゃない、ちょっとした工夫だ。

 

他にも、やる気というのは実は動かないと生まれないという面白い性質が脳にはあるので、まずはとにかく机に座ってみる。

本を開くのもだるいなら、とりあえず触るだけでも。

それで結果やはり勉強できなかったとしても、ちゃんと机には座ったんだから自分を褒める。

この作業を繰り返していくと次第に勉強できるようになるとか。これってちゃんと自制心持ってやれる人たちからすれば、「は、何甘えちゃってんの?」になるんだけど、ダメ人間にはそれすら難しいんですよね。

私は参考になりました。

 

最後に。すごくphaらしい文章が巻末にあって。

 

phaはちょっと前まで「日本一有名なニート」という肩書きがよく使われていた。

京都大学卒のニート、というキャラはやはり面白く、彼は有名になった。

でもみんな、だんだんと気づいてくるわけだ。


「なんか働きたくないとかだるいとか言ってるけどさ、結局は京都大学卒のブランドがあるし、なんだかんだ言ってこの人頭いいじゃん。文章面白くて本も出しているし、シェアハウスなんかやっちゃって。こんな人がニート語るなよ」

 

まあよくあるやつだよね。

自己啓発書の著者とかアイドルとか有名人に対して「それは才能があるからできるんです。誰でもできるわけじゃないのに無責任にいうなくそったれ!」

 

それを受けてなのか、phaは最後にこう書いた。
「たぶん、僕には何かの能力があるのだろう。この本は、そんな僕が身につけているものをいろんな人におすそ分けして、僕みたいな感じで生きられる人をもっと増やしたいと思って書いたものだ。別に僕が偉いわけじゃない、こんなものはたまたま身につけられたもの。だからこそ、独占するもんじゃないし、多くの人に共有されるといいなと思っている(多少編集)」
こういう考え方のphaが、私は好きです。

 

良書でした。折に触れて読み返すと思う。

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2018年

新年だ。

 

暦上は新年ということだけど、一日は一日、同じ日は二度と来ないという風に考えればなんでもない。ただ、やはり面白いもので、なんだかリセットされた気がして、新しく何かをしようという気持ちになる。

 

今年の目標は、シンプル。1年で100冊本を読む。そしてその感想をこのブログに記す。

 

全部しっかり読んでとかはしないと思う。読むものは読むし、読まないものは部分的にだけ。1年で100冊ということは、だいたい1ヶ月に9冊。3日に1冊。なかなかハードだな。でも、やってみる。

 

2018、良い1年になりますように。

 

 

2017終わり

はい、今年ももう終わります。

 

振り返ると、お金に困った1年だった。職場がいきなり無くなったり、予想外の出費があったり。お金がなくなってくると、日々の生活がとても重苦しくなる。思考も制限されてしまう。精神衛生上良くない。お金は大切だ。わざわざいうまでもなく、大切。身に沁みました。

 

同時に、世界が広がった1年でもあった。ある機会に出会ったアメリカ人とのコミュニケーションを通じて、なんとか英語でのやりとりができることが発覚。そこから自信をつけた私は東南アジアを周り、現地の人とも交流ができた。

 

タイにはたくさんのレディーボーイがいて、堂々と生活をしていた。コンビニの店員、美容師、そして夜の街。。。日本で苦しむLGBTの人たちは、一度タイに行ってみるといいと思う。性のオープンさ、タイランドはすごいです。また、私が行った時にはソンクランという水かけ祭りが行われていたのだけど、これ最高。みんな水鉄砲を持って、とにかく撃ち合う。警察にやっちゃうとまずいらしいんだけど、あとは基本的にオッケー。トゥクトゥクに乗って移動している観光客は路上から狙い撃ちでビショビショ。小道に入れば頭の上からバケツをひっくり返される。もうカオスです。みなさんスマホジップロックに入れています。そうしないと壊れるし、壊れても誰も責任を取ってくれません。自己責任。こんな祭りがタイ全土で3日間ほど行われる。すごくないか。日本ではまずできないよ。

 

ラオス。世界一周をした友人に勧められた国。行ってみたら、特に何もなかった。それがいいんだと言われたけれど、特にピンとこなかった。ところが先日会って話を聞いてみると、私が訪れた時点ですでに経済発展はだいぶ始まっていたそうで。確かに、商店街で暇そうにしている人たちは皆スマホをいじっていた。どんどん中国人が入ってきてラオスの文化は変わってしまったそうだ。行くのが遅すぎたか。

 

ベトナム。首都ハノイホーチミンに行きましたが、バイクの量やばすぎです。もうバイクの海。そこにレンタサイクル(バイク乗れない)で突入した時のアドベンチャーっぷりはやばかった。まあみなさん大混雑しているのでスピードは遅いんだけど。grabというアプリを使ってバイクタクシーでの移動が主で、それも楽しかった。ちなみに、今鉄道だかなんだかを建設中で、それが完成したらバイクだらけの風景は見れなくなるみたいです。今行くべし。あ、ベトナムの女性は細くて綺麗です。お米の麺、フォーもうまいし、サンドイッチ、バインミーもうまい、それに安い。ああ、また行きたいなベトナム

 

カンボジア。国民の平均年齢が25歳とか。というのも、ポルポト政権の時代に大量虐殺が行われたため。首都プノンペンにあるキリングフィールドは、人によっては気分が悪くなるでしょう。有名なアンコールワットがあるシェムリアップですが、個人的にはそれよりもタイランドとの国境にあるプレアヴィヒアという天空遺跡が素晴らしかった。

 

秋には、中国に行きました。マカオ、香港、そして上海。

 

マカオは東京の品川区ほどしかない、ちっこい国。まあ正確にいうとマカオと香港は中国の一部で、特別行政区というのですが、独自のパスポート、通貨、政治体制ということでまあ国に近いです。んで、マカオといえば、カジノ。今やラスベガスを超えて世界一とのこと。せっかくなので乗り込みました。いやあ、生まれて初めてのカジノは凄まじく雰囲気があって、歩き回るだけで楽しかったです(結局1円も使っていない)。人口も70万人ほどしかいない小規模なところですが、親日家と出会えたこともあって、すごく好きですね。

 

香港。香港も東京都の半分くらいしかないです。小さい。しかし侮るなかれ、ここはあの有名な世界的大スター、ジャッキーチェンが誕生した国である。そんなジャッキーその他有名人の手形があるロードがあるのですが、私が行った時には工事中で見れませんでした。泣ける。重慶大厦という知る人ぞ知る安宿には、大量のインド人。馴れ馴れしく話しかけてくるスタイル、懐かしいストレス。インドでは日本語で話しかけてくるやつはろくなものがいない、なぜならみんな下心を持っているからだ。一回騙されたし。夜景は綺麗でしたが、そんなにパンチはなかったかなと。マナーもなんだかイマイチでしたが、ご飯は美味しかったです。

 

そして上海。私は死ぬまで中国にはいかないと思っていたくらいに中国人が苦手だった。働いているバイト先に来る中国人、旅先で会う中国人、ほんとにマナーが悪すぎてぶん殴りたくなること山の如し。そんな私がなぜ上海に向かったかというと、安くチケットが取れたこともそうだけど、池上彰さんいはく、「中国人のマナーが悪いとみんな言うが、それは別に彼らに限ったわけじゃなくて貧しかった国が急に経済発展をするとマナーが追いつかないことが度々ある。例えば日本だって、フランスのパリでブランド買い占めをしていたこともあるし、物を捨てないマナーだって東京オリンピックに向けて徹底的に国が啓蒙したからであって、その前には電車の中はゴミだらけだしあちこちに痰を吐いたりしてたんだよ」ということで、ちょっと考えを改めたからだ。

 

で、実際に行ってみると、進んでいました。何がって、例えば地下鉄の窓にCMが映像として流れていたり(日本では退屈なトンネルが映るだけでしょ)、支払いはほとんどがクレジットカードかスマホでピッで終わり。また、町中にレンタサイクルが置いてあって、これもスマホをかざすだけですぐに乗れちゃいます。なんだこれ、めっちゃ便利じゃないか。今やGDPが日本を超えて世界第二位、なるほど。ただマナーはやはりイマイチで、歩きタバコからのポイ捨て、そして電車を降りる人を待たずの乗車でぶつかることがしばしば。あと、声でかい。パワーを感じます。

 

今回上海人に聞いてみたいことがあって、それは「あなたは日本をどう思いますか」である。日本ではしばしば中国の反日運動が紹介される。でもそれは政治的なポーズであって、実際は違うとかも言われる。一体現実はどっちなんだろう。すごく興味があったのだ。

 

結果はというと、「特に嫌われてる感はない」という印象。実際に日本語を話せる上海人と交流したのだけど、もはや上海にはたくさんの日本人が住んでいて日本人街もある。共存しているわけだから嫌いとかはないと。もう一人出会った上海人は、日本に行ってみたい!と笑顔で話してくれた。どうやら若者に反日の思いは強くないみたいです。ただ上の世代は嫌いな人もいるとのこと。なるほど。

 

はい、長くなりましたが、こんな感じであちこち行きまして、現地の人と交流した結果、私の世界は広がりました。日本もいいけど世界もいいぞ。いろんな生き方があって価値観がある。そんなことを生身で経験できたことが財産です。息がしやすくなった気がします。

 

なんだか旅のまとめになってしまいました。でも実際に今年を彩ったのは旅なので、これなしに振り返ることはできません。ほんとは写真なんかも載せるべきなのですが、もう年が明けてしまうのでそれはまたの機会に。来年のことは来年書きます。

 

それでは。

 

 

だんだん夜が白んでいく

www.youtube.com

だんだん夜が白んでいく。だんだん夜が白んでいく。

 

昼夜逆転してしまったようだ。働かないと生きていけないのはもちろんだけど、生活リズムも狂ってしまう。

 

働こう。

魅力的な文章

30日になったばかりの深夜。今年もあとちょっとだ。

 

今、すごく目が痛い。もうかれこれ何時間パソコンの画面を見続けているのだろう。とっととPC閉じて来月のトーイックの勉強をしたいのに、できない。

 

なぜかというと、すごくおもしろいブログ(というかサイト)を見つけてしまったからだ。

 

BASEMENT-TIMES

basement-times.com

 

音楽情報を発信しているサイトで、いろんなバンドについての情報や音楽シーンの説明が盛りだくさん。先日ゴッチのラジオを聴いて久しぶりに音楽欲求が芽生えて来て、適当にネットサーフィンしていたら見つけた。

 

早速「いいぞ!」と思える音楽に出会った。

www.youtube.com

歌詞は個人的にはギリギリの範囲なんだけど(ちょっと綺麗すぎるというか)、彼の声質、そしてサビの盛り上がりがたまらない。好き。

 

www.youtube.com

イントロが好き。pvも可愛い。さっきからヘビーローテーション。これを書いている今も聴いている。

 

思えば新しい音楽の情報なんて、いつ以来だろう。友人たちと音楽の話はしないし、音楽雑誌も買わないし、今の流行なんて全く知らない。新しい音楽に出会う経験、いいわ。

 

いや、それで、なんで目が痛くなるまでこのサイトを見てるかという話さ。執筆者石左さんの文章が、すごく面白い。結構ストレートに論じるので言葉が乱暴だったり、敵が増えそうな文章なんだけど、同時にユーモアもたくさん散りばめられていてそのバランスが良い。綺麗な褒め言葉だけで終わっていたらどこにでもある文章だし、はまることもなかったと思う。いやあ、熱中してしまった。

 

なお、2015年の段階で、月間100万アクセスあるみたいです。そらそうだ、面白いもの。人気なものには理由がある。

 

最後に、お気に入りの回を。

 

basement-times.com

 

では。