中村の読書日記

読書を中心に、徒然なるままに

22冊目

22冊目。
多動力(2017)

多動力 (NewsPicks Book)

多動力 (NewsPicks Book)

 

とにかくエネルギッシュでこないだR1予選にも出場していた堀江さんの本。

 

彼の超合理的な考えには追いつけないところがあって、特にファンということでもないのだけれど、タイトルに惹かれて手に取り、ぱらっと読んでみたら面白かったので購入。

 

冒頭に、多動傾向のある人間のマイナスポイント(しょっちゅう忘れ物をする、落ち着きがない、やるべきことをせずにやりたいことばかりしてしまうなど)が書かれており、しかし今やその能力が武器になる時代なんだぜ!とある。まずこのメッセージで勇気付けられた人、結構多いと思う。「え、まじ?俺ずっと先生や上司に怒られ続けてきて自信なくなっちゃったけど、これからはイキイキできるの?」

 

堀江さんは本当に合理的であり、効率化のレベルが尋常ではない。その姿にギブアップだったはずなのに、今の私には共感できるところが多くて驚いた。仕事のテンポ、大事ですよね。すごくわかる。返信遅い人、萎えますよね。わかる。メールの最初の挨拶、いらないですよね。わかるわかる。ちなみに、サイバーエージェントの社長藤田さんの返信はすごく早いらしい。

 

個人的には電話の応対や面接でもテンポの悪さを感じる。やたら丁寧な言葉遣いは結構なのだが、遅いよ。丁寧な言葉を待ってるんじゃなくて、早い会話を待っているんだよ私は。また、こっちが「わかりました」と伝えているのに、具体例を挙げ始めるケースも参ってしまう。具体例とは主張をわかりやすくするための道具。もうこっちはわかったと言ってるんだからいらないよもう。その意思を伝えるために食い気味に返事をしたり表情を曇らせてもなかなかわかってもらえない。堀江さんだったらはっきりと言葉にして伝えるんだろうけど、私にはハードル高い。あくまで「察してくださいな!」に留まる。

 

私が取り入れたい態度として「見切り発車」というものがある。私も本書で批判されているように、しっかりと準備に時間をかけてことを始めるタイプだが、それよりも見切り発車で動き出して、進みながら修正していくスタイルの方がテンポがいいし、今の時代に合っている気がする。じゃあなぜそれができないかというと、失敗が怖いから。多分堀江さんとかって、失敗をネガティブに捉えてないよね。問題点が見つかった、じゃ修正してさらにレベルあげよ!ラッキー!みたいな。失敗に対してエジソン的な捉え方をしているんだと思う。それ、欲しいんだよね。

 

あと1つだけ。
堀江さんは本書で「完了主義」という言葉を使っている。物事をしっかり終えていくスタイルのことだが、すごく好きな言葉。部屋の壁に貼り付けたいくらいだ。あとで貼り付けよう。

 

ここからはちょっとセンシティブな話題になるんだけれど、多動傾向というのはADHDという障害の可能性がある。注意欠陥多動性障害。私は実際に診断を受けたわけでもないのだが、自分の行動、そして親の言動を振り返ってみても、グレーゾーンだと思っている。

 

以前どこかのブログで発達障害の当事者が書いてるものを読んだ。巷には、歴史上の偉人にADHDの人間が結構いたという話がある。だからADHDって才能じゃん、ラッキーじゃん!でも、それは違うんだと。というのも、堀江さんはちゃんとことをなしているからいいのだけれど、多くの人は放っぽり出しちゃってどれも中途半端になってしまうのだ。完成しないので、成果に繋がらない。これだと「だめ」なんですよね。

 

だからこその、「完了主義」って言葉はすごく魅力的に感じたわけです。好きなことだけをブルトーザーのように片っ端からやっていけ!それが今の時代に適した生き方だぜ!でも「完了」することは忘れるなよ、と。とりあえず80点取るまではそこに「ハマって」成果を得て、飽きるのはそのあとだぜと。これ、個人的に一番の学びになりました。

 

良い本でした。最近はマンガ版も出たようなのでそっちも面白いはず。