30冊目
30冊目。
藤野さん、「投資」ってなにが面白いんですか?(2015)
投資家の藤野英人さんの本。
藤野さんの存在を初めて知ったのは、ほぼ日のサイトだった。なんでもすごく優秀な方だそうで、かなりの成績を上げているらしい。
最初に、「風が吹けば桶屋が儲かる」という言葉がある。聞いたことはあったけれど、細かい意味は知らなかった。風が吹けば、目に砂が入って盲人が増える、すると三味線弾き(昔は目が見えない人の仕事は三味線弾きだった)が増える、すると三味線の材料である猫の皮の需要が増える、すると猫の数が減少する、するとネズミが増える、するとネズミが桶を齧るので需要が増す。よって、桶屋が儲かると言う話。
要するに、全ては繋がっているよと。で、投資家に重要なことは、このように物事の関係性を考えていくことだと。
内容は、ドラえもんに出てくる数々のミラクルアイテムがもし現実に存在したら社会はどう動くか?を考えていくもの。ドラえもんのアイテムは世界の常識をぶっ壊すもので、それが存在することにより社会ルールの変更が求められ、栄える会社がいる一方で、衰退していく会社も生まれる。そこを妄想していこうよと。それが投資家になる上で重要な筋肉を鍛えてくれますよと。
例えば、タケコプターができたら、空が混むから新しいルールが必要だぞとか、電車や車の利用者数は減るぞとか、空からの侵入に備える警備業が栄えるぞとか。面白いわこの作業。頭も使うし。
しかし当たり前だけれど、私が知っている会社は本当に一部で、全然知識が足りないなと思った。各ジャンルに優秀な会社があって、それは大手、中小に限らずで。もし株をやっていくなら、日本にある会社の知識をつけないとダメだ。そうなると、世界がまたぐわんと広がる。やばい、ワクワクしてくる!
投資家は日々、どうやったら社会が良くなるかを妄想している。その妄想を実現してくれるのは、ドラえもんのポケットではなく、現実の労働。労働こそが未来を作る。自分が思う素敵な未来を作ってくれそうな会社や人を応援することが投資だと。いやこれかっこいい。労働が理想を叶えると言う切り口は初めて聞いた。働くことに対して自然と前向きになれる言葉。ちょっと労働意欲湧いた。
ひふみ投信、初めてみようかしら。