中村の読書日記

読書を中心に、徒然なるままに

中東について

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池上彰の世界の見方 中東: 混迷の本当の理由

池上彰の世界の見方 中東: 混迷の本当の理由

 

 

中東って、なんか怖い。すごく危ないイメージ。イスラム国が暴れたり、国内で内戦が絶えないんでしょ、知らないけど。

 

3冊目は、「池上彰の世界の見方 中東 混迷の本当の理由」

 

 選んだ理由は、池上彰さんの著書ならとてもわかりやすく纏められてるに決まってるから。そして何より、中東についてずっと興味があったからだ。

 

内容は高校生への授業が元になっているのでわかりやすい。無知な私にも、ソ連アフガニスタン侵攻から現代のイスラム国までの流れがざっくりわかった。

 

恥ずかしい話、私は9.11についてもほぼ無知だったので、とても勉強になった。アルカイダタリバン、オサマビンラディン、パシュトゥンの掟、そして評価の低いブッシュ大統領。なるほど、そうだっのか!

 

わお!と思ったポイントをいくつか。

 

  •  タリバン支配下の生活ヤバすぎ。女性は大切にしなければならないということで、1人で外出禁止。学校も労働もダメ。外に行くときは家族の男性と一緒。衝撃だったのが、女性が病にかかったとき。家族の男性と一緒に病院に行くんだけど、お医者さんは男性なので(女性は働けないから女医も看護師もいない…)直接コミュニケーションは取れない。よって、家族の男性が間に入って、カーテン越しに医師と患者が向き合うシステム。おいおい、なんだよそれ。じゃあ出産は?みたいなことになってさすがにここはすぐシステム修正されたそうだが。これ、20世紀後半の話ですよ…

 

 

  • アラブは部族社会。日本ではいとこ同士の結婚は避けられる傾向にあるが、アラブでは逆で、推奨される。というのも、よその人と結婚してしまうと財産が奪われてしまうのではという思いがあって、近い親戚が安全だと考えるからだ。結果、どんどん一族が大きくなっていき、トップが長老として力を持つようになる。もし、警察官であるアラブ人が、自分より上に位置する身内の犯罪を取り締まるよう命じられたとする。この場合、当然日本その他近代国家では警察官として職務を全うするのが務めであるが、アラブの世界では動かない。なぜなら、彼らは部族のルールを最優先するからだ。これは辛いシステムだな。。。

 

実際に海外に行ってみると、巷で言われているほど日本っていい国だとは思わない。東南アジアに住めと言われたら、住める。東南アジアには日本にないエネルギーがあるし、ご飯も美味しいし、もちろん残念なところもあるけど、それは日本だって同じことだ。

 

ただ、歴史や文化を勉強するようになると、日本の特殊性、そしてやはりいい国なんだなということがわかってくる。日本て基本、穏やかで平和的だよね。自動販売機がこんなあちこち外に置いてある国は日本だけだ。なぜなら、外に置いても壊されないから。

 

世界を眺めると宗教からくる争いが非常に多い。先日トランプ大統領が、エルサレムイスラエルの首都と認定する発言をした。これによってイスラム教徒は怒るだろう。イスラム教徒は世界に16億人以上いると言われている。争いの火種がまたひとつ増えてしまった。一方日本という国は、宗教的に非常に緩い。神道から来るお宮参り、七五三から始まり、キリストの生誕祭でお祭りを楽しみ、最後は仏教スタイルでこの世を去っていく。この緩さって、世界的に見てすごいことだと思う。

 

勉強になりました。緩く生きたい。