中村の読書日記

読書を中心に、徒然なるままに

54冊目

ブレイキングの合間に、読書を。

 

54冊目。

ADHDでよかった(2017)

ADHDでよかった (新潮新書)

ADHDでよかった (新潮新書)

 

 52冊目に続いて、発達障害系の本。

 

ADHDという診断を34歳の時に受け、そこから生きやすくなった著者の本。

 

ちょっと読むだけで、著者はおそらくものすごいおしゃべりなんだろうなと察しがつく。エピソードの山である。

 

私はあくまで医者の診断は受けず、自分でADHD傾向があるなあと思い始めている人間で、52冊目に読んだ借金玉さんの本を読んでその確信は深まった。しかし、この本を読むと、私の症状は実に軽いものであるとわかった。発達障害はグラデーションなので、白よりのグレーもあれば、黒よりのグレーもある。私はあくまで「白より」なのだと理解した。薬は必要なさげだ。

 

ただ、そんな私にでも参考になったり共感できるところはあった。特に受験勉強に失敗した理由の分析のところは、だいたい一致していた。優先順位がつけられなかったり、どんどん脱線してどうでもいいところに意識がいってしまったり。また、じっとしていることが苦手で、歩いていると脳が酸素を摂取している感じがして生き生きするというのもわかる。考えるときは歩くに限りますよね。

 

著者がうまくいったことのポイントに、アメリカの大学を選んだというのがある。アメリカには行ったことがないしわからないのですが、どうやら沈黙はよろしくないようで、自分の意見を持ち、しっかり表明できることがクールらしいです。質問の時間もバンバン手が上がるそうで。それって日本人からするとちょっと適応に時間がかかるのですが、空気を読まないおしゃべりなADHDにはむしろ楽しい。ありのままの自分で評価されやすい。これは大きいなあと思うのです。日本の大学にいたら果たしてどうなっていたのでしょう。

 

後半には、発達障害の有名人が並んでいる。最近同性愛を告白した勝間和代さんから、ジムキャリーや、ウィルスミスもそうらしい。過去の偉人ではピカソエジソンもそうだと。なるほど。

 

ただ、この「発達障害=天才」の図式はあまりよろしくないと借金玉さんがブログに書いてた。あくまでそれは一部ですよーと。

 

まあ話をそんなに大きくする必要もなくて、自分の取説をゲットしたら人生は豊かになるよってことですね。武器があるなら生かしましょう、弱点があるなら克服もいいがサポートしてもらったら?という感じでしょうか。

 

まだまだ日本には個性を尊重する社会が出来上がっていないそうなので、癖の強い方はアメリカの方が、あるいは他の国の方が自分らしく生きれるのかもしれないですね。んじゃまず、英語だな。