25冊目!
記念すべき、目標の4分の1達成!
25冊目。
未来の働き方を考えよう(2013)
未来の働き方を考えよう 人生は二回、生きられる (文春文庫)
- 作者: ちきりん
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2015/11/10
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログ (1件) を見る
ちきりんさんの本。
最近バイトを辞めたくてしょうがない私にとって非常に役に立った1冊。
変化の時代にどう適応していくか。寿命はバンバン伸びていく世界の中で、果たして1つの仕事だけをやり続けるってどうなのよと。サブタイトルにある通り、人生は2回生きられる。40過ぎたあたりから一度人生を考え直して、別のキャリアを始めるのもいいんじゃないのと。実際にちきりんさんはその選択をした一人。面白い。
「しまった!チョイス間違えた!」と思ったことが、間欠泉キャリアと呼ばれる部分。一定の期間働いて、そろそろいいかなというところで仕事を辞めて数ヶ月海外に行くなり学校に通うなりの生活をし、再び働くスタイル。これは普通のサラリーマンには難しいのだけれど、需要がむちゃくちゃある医療系や介護系、そしてIT系は可能だと。旅を愛する私はこの道を選ぶべきだった!失敗した!そういえば、旅先で出会う人って外国人を含めて看護師とエンジニア率は高い。タイで出会った人は、なんと1年の休暇だと言っていた。ほんとかどうかは知らないが、1年の休暇ってどういうことなんだとフリーターは思ったのだった。
日本人は英語を話せない。なぜなら、それが必要な環境にないから。島国だし、日本人相手に商売をしていれば、十分に経済が回るからだ。ところが、これからは違う。どんどん日本人は減少し、老いていく。少子高齢化です。日本の市場は小さくなっていくので将来性がない。故に、海外に目を向けざるを得ない。これからはついに日本も英語を喋れる民族になっていくだろう、だって必要なんだから。
少子高齢化は日本だけの話ではなく、先進国に見られる現象(アメリカは例外)。一方地球の人口は増え続けている。主に新興国で人口増加が止まらないからだ。人口=パワーなので、これからは「先進国→新興国」のパワーシフトが発生する。今は欧米発のカルチャーが日本、そして世界に伝播するスタイルだが、未来は逆で、先進国の人間たちが新興国のカルチャーを取り入れるという流れになる。わお、面白い!
この本を読んで、海外で生活することを考えてもいいなと思った。今フリーターをしている理由の一つに旅が好きなのがある。海外の空気は日本と違って力に満ち溢れているし、やはり楽しいものがある。フリーターってことは、別に今の仕事を辞めたって構わないということだ。大企業に勤めているわけでもなし、失うものはそんなにないはず。
ちきりんさんは、「やりたいことを明確にしよう。もし今あなたにやりたいことがあったら超ラッキー!だって多くの人はそれがわからないんだから!」と言っている。忙しさやら何やらを言い訳にしていたけれど、一度じっくり「自分の理想の生活」を考えてみようと思う。
それにしても、ほんとよくこんな本を書けるなあ。こういう人が眺める世界というのは私のそれと全く違うんだろう。
これで目標の4分の1、25冊が終了。今の所、本を読むことへの苦痛は全くなく、むしろもっともっとたくさん読みたいという心境。読めば読むほど知識がつくし、それによって見える世界も変わる。何より生きることが楽しくなりました。いい趣味を持てたぜ。ちなみに、もしここでアウトプットをしなかったら早々にリタイアしたと思う。誰が読んでいるわけでもないが、アウトプットすることで知識に定着するし、今これを書いている時間がすごく楽しい。
次のステップは、50冊だ!
24冊目
花粉本当に辛い。
24冊目。
齋藤孝の30分散歩術(2008)
「声に出して読みたい日本語」で有名な齋藤孝さんの本。
私は齋藤孝さんのファンである。今まで結構な量の本を読んできた。読むと元気になったり、あるいは向上心を刺激されるものが多い。
さて、今回は散歩術。よくもまあ散歩だけでここまで書けるなあという印象。身体論を学んでいただけあって、丹田の説明や東洋式ウォーキングなどの説明もあって面白い。
個人的に、歩くと力が湧くというのは同意。散歩は私の趣味の一つで、行き詰まったりアイデアが欲しくなる時は歩く。すると、前向きになりひらめく確率も高くなる。私だけじゃなかったのね。
ちょっと試してみたいのは、歩きながら声を出すということ。言葉の力もあって元気になるし、詩の暗誦などにも良いと。著者は明治大学で教員をしているのだが、その授業でも生徒に歩いて音読させたりするそうだ。周りの目が気になりそうだけれど、効果はきっとある。
あとは、人と歩きながら話すというスタイルね。私は大体ファミレスやカフェで長時間話すことが多い。それはそれでいいが、歩きながら話すことで話題が前向きになりやすく、また仮に沈黙が訪れても気まずくないと。また、向き合わずに話すことで、普段言えないようなことも言いやすくなる。なかなか面白そう。ちなみに、アップルのスティーブ・ジョブズは、散歩をしながら話し合いをしていたことで有名だ。意識してやってみようか。
いや、まだ早い。実践に移すのは、花粉シーズンが終わってからにしよう。。。
23冊目
23冊目。
むだ死にしない技術(2016)
前回に引き続き、堀江さんの本。テーマは「予防医療」だ。
ページ数は150ほどで薄い1冊。中身もシンプル。「胃がんは99パーセントがピロリ菌による感染症が原因。ちゃんと検診を受けてピロリ菌を殺菌すれば防げるのにそれをしないで年間5万人がなくなってるのはどうなのよ!」というように、ちょっとの手間で予防できるものがあるのだから、みんなどんどん検診を受けようよと。
でも、そうはいってもさ、めんどくさいじゃん。。。
そこで各国の政策を紹介している。例えば、アメリカには国民皆保険がないので、保険は民間企業が行なっている。彼らは当然ビジネスでできることならお金を支払いたくないので、「2年間に1度検診を受けてくれたら保険料を値下げしますよ」というキャンペーンを行い、成果を上げている。また、デンタルケア先進国のスウェーデンやフィンランドでは3ヶ月に1回、オランダでは半年に1回、全国民が無料で歯石除去を受けることができる。そのかわり、それを怠って虫歯になった場合は全額自己負担になる。面白い!
堀江さんは、健康保険組合を民営化すべきだと主張している。民間事業になれば、市場の原理が働くからだ。確かにそれはあるかもしれない。
基本的に人間は怠惰です。それを前提にシステムを組むべきで、主に飴と鞭を使うことになる。で、出来ることなら飴で動かした方がハッピー。上のアメリカの例では、保険会社はビジネスとしてやっているわけだけれど、利用者は保険料が減るのでメリットがあるし、国全体としてみてもガンになる人が減るのだからオッケー。こういうシステムってすごく賢いと思う。
何年か前に、ドワンゴの川上量生さんが、非常に面白い企画を実施した。女子マネ弁当。
これすげえなあと思って。女性に会えるという飴と、ある程度のクオリティのお弁当がタダでもらえるという飴。実際にこの企画で、午前中出社が10倍増えたというんだから素晴らしい。
日本は今人手不足で、人材確保が難しい。その中で罰が中心だったり、根性主義のシステムだとみんな来てくれないし、来てもすぐにやめてしまう。こうやってハッピーに人を動かす知恵ってのはこれからの時代すごく大事だと思う。
話がずれてしまった。
とにかく、検診には行こう。そっちの方が大病になるリスクを下げられるし、QOLも上がる。最終的にはお金の節約にもなるよと。
まずは私、歯医者に行きたい。虫歯には縁がないが、何でも日本人の8割は歯周病で、自然治癒はなく、ほっておくと糖尿病や心疾患などの重い病気に発展することもあるそうだ。怖すぎる。半年に1回は行くべきらしい。
よし、最初は美人歯科衛生士を探すことから始めよう!怠け者には飴を!
22冊目
22冊目。
多動力(2017)
とにかくエネルギッシュでこないだR1予選にも出場していた堀江さんの本。
彼の超合理的な考えには追いつけないところがあって、特にファンということでもないのだけれど、タイトルに惹かれて手に取り、ぱらっと読んでみたら面白かったので購入。
冒頭に、多動傾向のある人間のマイナスポイント(しょっちゅう忘れ物をする、落ち着きがない、やるべきことをせずにやりたいことばかりしてしまうなど)が書かれており、しかし今やその能力が武器になる時代なんだぜ!とある。まずこのメッセージで勇気付けられた人、結構多いと思う。「え、まじ?俺ずっと先生や上司に怒られ続けてきて自信なくなっちゃったけど、これからはイキイキできるの?」
堀江さんは本当に合理的であり、効率化のレベルが尋常ではない。その姿にギブアップだったはずなのに、今の私には共感できるところが多くて驚いた。仕事のテンポ、大事ですよね。すごくわかる。返信遅い人、萎えますよね。わかる。メールの最初の挨拶、いらないですよね。わかるわかる。ちなみに、サイバーエージェントの社長藤田さんの返信はすごく早いらしい。
個人的には電話の応対や面接でもテンポの悪さを感じる。やたら丁寧な言葉遣いは結構なのだが、遅いよ。丁寧な言葉を待ってるんじゃなくて、早い会話を待っているんだよ私は。また、こっちが「わかりました」と伝えているのに、具体例を挙げ始めるケースも参ってしまう。具体例とは主張をわかりやすくするための道具。もうこっちはわかったと言ってるんだからいらないよもう。その意思を伝えるために食い気味に返事をしたり表情を曇らせてもなかなかわかってもらえない。堀江さんだったらはっきりと言葉にして伝えるんだろうけど、私にはハードル高い。あくまで「察してくださいな!」に留まる。
私が取り入れたい態度として「見切り発車」というものがある。私も本書で批判されているように、しっかりと準備に時間をかけてことを始めるタイプだが、それよりも見切り発車で動き出して、進みながら修正していくスタイルの方がテンポがいいし、今の時代に合っている気がする。じゃあなぜそれができないかというと、失敗が怖いから。多分堀江さんとかって、失敗をネガティブに捉えてないよね。問題点が見つかった、じゃ修正してさらにレベルあげよ!ラッキー!みたいな。失敗に対してエジソン的な捉え方をしているんだと思う。それ、欲しいんだよね。
あと1つだけ。
堀江さんは本書で「完了主義」という言葉を使っている。物事をしっかり終えていくスタイルのことだが、すごく好きな言葉。部屋の壁に貼り付けたいくらいだ。あとで貼り付けよう。
ここからはちょっとセンシティブな話題になるんだけれど、多動傾向というのはADHDという障害の可能性がある。注意欠陥多動性障害。私は実際に診断を受けたわけでもないのだが、自分の行動、そして親の言動を振り返ってみても、グレーゾーンだと思っている。
以前どこかのブログで発達障害の当事者が書いてるものを読んだ。巷には、歴史上の偉人にADHDの人間が結構いたという話がある。だからADHDって才能じゃん、ラッキーじゃん!でも、それは違うんだと。というのも、堀江さんはちゃんとことをなしているからいいのだけれど、多くの人は放っぽり出しちゃってどれも中途半端になってしまうのだ。完成しないので、成果に繋がらない。これだと「だめ」なんですよね。
だからこその、「完了主義」って言葉はすごく魅力的に感じたわけです。好きなことだけをブルトーザーのように片っ端からやっていけ!それが今の時代に適した生き方だぜ!でも「完了」することは忘れるなよ、と。とりあえず80点取るまではそこに「ハマって」成果を得て、飽きるのはそのあとだぜと。これ、個人的に一番の学びになりました。
良い本でした。最近はマンガ版も出たようなのでそっちも面白いはず。
21冊目
最近夜眠れない。ストレスかしら。
21冊目。
マレーシアでロングステイ(2013)
マレーシアでロングスティ 最新版 (大人の海外暮らし国別シリーズ)
- 作者: 永田聡子
- 出版社/メーカー: イカロス出版
- 発売日: 2013/01/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る
老後は海外で暮らしちゃいませんか?っていう本。実際にリタイヤ後にマレーシア移住をした人たちの話が載っている。
そもそもマレーシアに行ったことがない。知識もない。ただ、一度台湾のゲストハウスに泊まった時に出会った人が、将来はマレーシアに住んで悠々自適に過ごすんだと夢を語っていた。彼はまだ20代で、ITで独立して移住を考えている人だった。わお、21世紀っぽい。かっこいいな。
なんでも老後の移住先として、マレーシアは大変優秀らしい。治安も悪くないし、ご飯は美味しくそれでいて安い。親日でもあるし、医療のレベルも良し。さあ、行くしかない!
シンガポールと一緒で、マレー系、中国系、インド系で構成されているのだけれど、比率が違う。シンガポールでは一番多いのは中国系だが、マレーシアでは当然マレー系で6割。次に中国が3割、最後のインドが1割。
面白いなと思ったのは、それぞれの食文化である。マレー系の多くの人はイスラム教徒なので、豚肉を食べることができない。一方インド系のヒンドゥー教徒は牛を食べない。そして中国系はどっちもオッケー。自分が食べたいものや宗教によって柔軟に店を選べる国、それがマレーシア。
ちなみに、これはマレーシアに限らない話だが、海外にいても年金はちゃんともらえるとか、日本の国民健康保険には「海外療養費」というのがあって、海外での疾病治療費の一部が払い戻されるなどの情報も載っている。個人的に有益な情報だった。
私は旅が好きで、東南アジアを1ヶ月以上周ったことがある。そこで思ったことは、「海外で生活するのもありだな」だった。そら日本よりは危なかったりサービスが悪かったりするところもあるが、同時に力に溢れていたりのびのびしていたりと日本では味わえない喜びもある。この本を読む限り、結構楽しいみたいですよ。
実際に住むかどうかは別にしても、住むという選択肢に思いを馳せると、なんだか人生がより自由に感じられて胸が踊る。最近忘れていたわ、トキメキ。。。
マレーシア行きたい。
20冊目
もう花粉本当に鬱陶しい。寒さが終わる春を喜べないって本当に悲しいわ。
20冊目。
聞く力(2012)
- 作者: 阿川佐和子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2012/01/20
- メディア: 新書
- 購入: 17人 クリック: 702回
- この商品を含むブログ (113件) を見る
前回は吉田豪さんの「聞き出す力」、今回は本家の「聞く力」であります。
まず、結構分厚い本ですこれ。250ページ以上ある。ボリューミー。内容は確かに面白エピソード集だが、吉田さんのより硬派。インタビューを通じて気づいた会話やインタビューのコツが載っているので実用書としても使える。ただ、私はインタビューを生業にしている人間ではないし、あまり切実なものがないので一個一個のハウツーに関してはそんなに吸収できなかった。
では、この本で得たものは何か。
阿川佐和子さんの魅力と聞く力が人を救うという事実だ。
阿川佐和子さんは前からすごいなあと思っていた。慶應大学を卒業されている才女でありながら、爆笑問題太田光(私が大好きなお笑い芸人さんでございます)の下ネタやくだらない話にもついていける。すごく幅広いのです。大人。一方で、とても可愛らしいルックス。なんだこの人は。
今回初めて彼女の文章を読んでみて、また驚き。文体にも硬さと柔らかさが兼ね備えられている。育ちの良い印象を与える文章の中に、落語家のようなシャレ、ザ中年女性のセリフ。面白い。この本がミリオンいったのは、もちろんテーマも良かったけれど、彼女の文章力にある気がした。まあ文章力が何かって全くわからないんだけれど。
話を聞くことが大事ってのはもうすでに耳タコ。みんな言ってますよ。自己啓発書にはそんなのばかり。人間には承認欲求があるから、基本的に誰もが自分の話を聞いて欲しい、故に需要はありまくり。承認欲求を満たすってのは、お腹が減っている人に食べ物を与えるのと同じようなものだ。だから聞き上手はモテるし、人も情報も集まる。
本書の前書きに、東北大震災の被災地の人、森林で働く名人の2つのエピソードがある。
震災で家が流され大変な思いをした人たちはその苦しみを吐き出したい、誰かに聞いて欲しい。ところが避難所で話をしようにも、「私のところの方がもっとしんどいよ!」とさらに大変な相手に吸収されてしまう。ただ話を聞くだけで、気持ちはほんの少しでも楽になる。
全国の高校生100人が、森林で働く名人100人の元を訪れ、インタビューする「聞き書き甲子園」というものがある。高校生は苦しい思いをしながら懸命に名人に話を聞いて、書きまとめる。このイベントの趣旨は、どんどん人手がなくなって消滅していくであろう森林の仕事を日本の若者に知ってもらうというもの。このイベントは若者の勉強になっているだけではなく、名人たちにも笑顔を与えている。家族含め誰も興味を持ってくれない自分の仕事について、質問を投げかけられたことが嬉しかったのだ。
話を聞くってことは日常に溢れていて、誰もが自然にやっていること。しかしだからこそ無意識で行われるもので、あまり自分でその能力を考える機会がない。今日からは少しずつ意識して、より愉快なおしゃべりができればいいなということで。話を聞けない人は、絶対に損すると思う。
19冊目
19冊目。
聞き出す力(2014)
プロインタビュアー、吉田豪さんの本。
最近思うんだけれど、会話において重要なのは、聞き手です。聞き手が会話をコントロールしていると言っていい。だって、聞き手のリアクションによって話し手は内容を変えるし、落ち込むし、勢いづくから。
これは会話だけに言えることじゃない。
例えば、私は旅に出ると気まぐれでお土産を買ってくる(普段は買わない。何を買うのか考えるのがめんどくさいし、誰々に何を渡して。。なんて計算していたら日常にまみれちゃって旅が台無しになるので)のだが、渡したいなと思う相手はリアクションがいい人。中には「これ超不味い。お前、ちゃんと味見したのかよ」と文句をつけてくる奴がいて閉口する。こういう人にもちろん次はない。次があるのは「これすごく美味しい、ありがとう!」とか「へー、海外のお菓子って独特の味なんだねー」というポジティブリアクション、あるいは「うわ、まず!なんだよこれ!お前も食ってみろよw」のように笑いに変換できる人。
別に見返りを求めているわけじゃないけれど、実際にお金と時間と労力は使っているわけで。世界は感情で動いているのです。
で、吉田豪さんは、そこらへんがすごくわかっている人。基本的なスタンスとして、「私は敵じゃないですよ」と相手に伝えることを重要視している。徹底的に下調べをし、本人すら持っていないような昔の本を持参し、笑顔で話を聞く。相手は「ここまで私のことを調べてくれたんだ!」と好意をもつ(場合によっては逆効果の時もあるだろうけれど)。
インタビューの内容に関しても、彼は相手を攻めたり批評することはない。基本的に肯定して聞いていくスタイル。善悪をジャッジするのはあくまで読者だという考えのもと、あくまで拡声器としてどんどん話を聞いていく。カウンセリング的な一面もあるので、中には泣いてしまう人もいるとか。すごいな。
面白いなと思ったのは、とんでも話が出てきたときにこちらが引いてしまうと相手が警戒してブレーキをかけてしまうので、あえて控えめなリアクションや、「そんなの誰でもやってますよ」のような発言をすることで相手を促す手法。聞き手が話をコントロールするいい例だ。
初めて彼を見たとき、「うわ、こわ!!」と思ったけれど、彼の出演番組やyoutubeを見ていくうちに、むしろ逆で非常に穏やかな人だという印象を持った。面白さを求めてインタビューしていく吉田さん自体も面白いです。
ちなみに、この本が出たのは2014年末。前年2013年は阿川佐和子さんの「聞く力」がミリオンヒットを成し遂げている。この本はまさに便乗企画で、そのブラックさが表紙の色に現れているとのこと。 巻末には短いながら彼女との対談も載っている。
最後に、この本は実用書というよりもただの面白エピソード集じゃないかというツッコミに対し、「聞く力も面白エピソード集だったから問題ないはずです!」というのには笑った。聞く力も読みたいぞ。