中村の読書日記

読書を中心に、徒然なるままに

31冊目

31冊目。

投資バカの思考法(2015)

投資バカの思考法

投資バカの思考法

 

前回に続いて、藤野さん。

 

「投資バカ」の藤野さんが、自分のメソッドを7つのカテゴリに分けて紹介している本。

 

面白い。感性から崩壊が始まるので、ポートフォリオ(財産構成)はあえて不完全にしておくとか、格差を解消するためにはリスクを取れとか、いろんなことに興味を持つことがリスクヘッジになるとか、折衷案は株において機能しないのでやめたほうがいいなどなど。

 

投資だけじゃなく普段の生活にも使えるようなものもあって、お得な1冊。損切りとかね。

 

藤野さんの労働者への態度ってすごく良くて、彼はコンビニやファミレスの店員さんにもしっかり「ありがとう」をいう。これは私もやるのだけど、「この料理、美味しいね。あとで調理した人にお礼を言っておいて」なんてセリフは一度も使ったことがない。店員さんは笑顔になると。すごいな。こういうことを増やすことで労働が苦役じゃなくなって少しでも社会が良くなればいい。投資とは社会を良くすることだ。

 

実際に飲食店で働いていると、藤野さんのような対応をしてくれる人は恐ろしく少ない。たまに笑顔で「ごちそうさまでした」を返してくれる人がいて、その時は嬉しいなと思う。確かにそんな反応が増えたら働くことが楽しくなるし、こちらもいいサービスを提供しやすくなるよね。「ありがとう」の一言で、社会に好影響を与えることができる。小さいけれど、確かな一歩。感銘を受けました。

 

藤野さんは、ピアノにテニス、トライアスロンに社交ダンスと多趣味だ。好奇心が旺盛で、それは投資家としてすごく役に立っていると言う。好奇心があれば勉強するし、調べる。その態度が成功の確率をあげる。私も藤野さんほど深みがないが、浅い興味は山ほどある。その点で、投資に向いているのかもと思い始めている。

 

短い期間に売り買いするよりも、ドカンと5年間じっくりやるのがいいそうだ。ちょっとずつちょっとずつ始めていこう。一応口座は作ったぞ!

 

読んでて元気が出る本でした。希望を持って生きていこう!

30冊目

30冊目。

藤野さん、「投資」ってなにが面白いんですか?(2015)

藤野さん、「投資」ってなにが面白いんですか?

藤野さん、「投資」ってなにが面白いんですか?

 

 投資家の藤野英人さんの本。

 

藤野さんの存在を初めて知ったのは、ほぼ日のサイトだった。なんでもすごく優秀な方だそうで、かなりの成績を上げているらしい。

 

最初に、「風が吹けば桶屋が儲かる」という言葉がある。聞いたことはあったけれど、細かい意味は知らなかった。風が吹けば、目に砂が入って盲人が増える、すると三味線弾き(昔は目が見えない人の仕事は三味線弾きだった)が増える、すると三味線の材料である猫の皮の需要が増える、すると猫の数が減少する、するとネズミが増える、するとネズミが桶を齧るので需要が増す。よって、桶屋が儲かると言う話。

 

要するに、全ては繋がっているよと。で、投資家に重要なことは、このように物事の関係性を考えていくことだと。

 

内容は、ドラえもんに出てくる数々のミラクルアイテムがもし現実に存在したら社会はどう動くか?を考えていくもの。ドラえもんのアイテムは世界の常識をぶっ壊すもので、それが存在することにより社会ルールの変更が求められ、栄える会社がいる一方で、衰退していく会社も生まれる。そこを妄想していこうよと。それが投資家になる上で重要な筋肉を鍛えてくれますよと。

 

例えば、タケコプターができたら、空が混むから新しいルールが必要だぞとか、電車や車の利用者数は減るぞとか、空からの侵入に備える警備業が栄えるぞとか。面白いわこの作業。頭も使うし。

 

しかし当たり前だけれど、私が知っている会社は本当に一部で、全然知識が足りないなと思った。各ジャンルに優秀な会社があって、それは大手、中小に限らずで。もし株をやっていくなら、日本にある会社の知識をつけないとダメだ。そうなると、世界がまたぐわんと広がる。やばい、ワクワクしてくる!

 

投資家は日々、どうやったら社会が良くなるかを妄想している。その妄想を実現してくれるのは、ドラえもんのポケットではなく、現実の労働。労働こそが未来を作る。自分が思う素敵な未来を作ってくれそうな会社や人を応援することが投資だと。いやこれかっこいい。労働が理想を叶えると言う切り口は初めて聞いた。働くことに対して自然と前向きになれる言葉。ちょっと労働意欲湧いた。

 

ひふみ投信、初めてみようかしら。

 

 

 

29冊目

29冊目。

定年後の楽園の見つけ方(2017)

定年後の楽園の見つけ方 ―海外移住成功のヒント (新潮新書)

定年後の楽園の見つけ方 ―海外移住成功のヒント (新潮新書)

 

まだ20代だけれど、関心がありますな、老後の話。

 

内容は、著者が海外で出会った日本人たちとのやりとりを通じて、海外で暮らすとはどういうことか、何が必要かが記されている。

 

この手の本は、21冊目にも読んだけれど、それよりも生々しい本だと思った。というのも、しょっぱな紹介されているフィリピン在住の日本人男性が、60代後半で10代の現地人女性と結婚しているから。しかも子供あり。えー!まあちゃんと奥さんとは離婚しているし、悪いことではない。でも、いきなりこうくるか!って感じだ。こういうケースって日本ではなかなか見られないので新鮮。

 

ちょっと思ったことは、楽園ってなんだということ。マレーシアのロングステイの本を読んだときは紹介されている日本人が皆夫婦だったので、ゆったり趣味を楽しめるぞとか、ご飯が安くて美味しいぞとか、気候がいいので健康になりましたなど、いわばすごくお利口さんでわかりやすい幸福が提示されていた。ところがこの本でしょっぱな出てくるのは「性」です。フィリピンを始めとしたアジアでは、中年男性でも若い女性と付き合うことができる。たくさん遊べる、青春を取り戻せる!でもこれって、性欲のある男性の幸福であって、じゃあ女性が逆をやるかというと少ないでしょう。このエピソードは私を含めた男性には響くけれど、女性にはなんでもない話。

 

やっぱり、安さが一番だと思う。だってもしマレーシアにしてもフィリピンにしても、日本より物価が高かったらいくら環境が良かろうが女性と遊べようが、楽園とは言わないはず。安い!なのに結構快適だぞ、女の子もいるぞ、環境もいいし、日本より息苦しくないぞ。こりゃ楽園だぜという感じ。

 

さて、じゃあ今20代の私が60を過ぎたとき、果たして経済はどうなっているのだろう。日本は少子高齢化が進み、年金ももらえないとかなんとか。そんな中で果たしてアジアが楽園として機能しているかはわかりません。

 

アジアが楽園なのは、今だけなのかも?

 

最後に、海外生活で重要なことを著者は「3K」であると主張している。健康、金、かみさん。どれも当たり前なことだが、だからこそ重要ですよと。確かに!肝に銘じます!

 

28冊目

すでに3月のノルマは達成しましたが、続けます。

 

28冊目。

細野真宏の世界一わかりやすい株の本(2005)

細野真宏の世界一わかりやすい株の本

細野真宏の世界一わかりやすい株の本

 

 はい、株の本です。

 

旅を愛する者として、そして低収入である者として、副業は欲しい。場所や時間に縛られない稼ぎがあることが私の理想。となると、株なんじゃないかと。たまたま今年から新聞も読み始めたわけだし、グッドタイミングなんじゃないかと。

 

この本、評価が随分高い。実際読んでみると、確かにわかりやすい。これを読んだだけで株ができるようにはならない(証券会社云々の説明は一切ない)けれど、大雑把に株とは何かがわかるので入門書としてグッド。

 

IR情報というのが、インベスター・リレーションズの略で、投資家へ向けた情報だということを初めて知った。世の中知らないことだらけだ。

 

個人投資家はプロの投資家に比べてどうしても情報戦で不利なわけだが、一般生活者としてアンテナを張っていればヒットの予感を感知できるかもしれない。そこにつぎ込んだら儲かるかもよ。こういう見方で世界を眺めることはそれはそれで面白い。

 

もう貯金なんてしたってほとんど増えない時代。だったら投資をした方がまだ可能性がある(もちろん損することもあるけれど)。少しずつ余剰金で始めて痛い目見ながら学習していければ。

 

仮想通貨も面白いのかも。

27冊目

サクサクいきましょう、27冊目。

ADHDの友だち(2017)

 多少の自覚症状があったので、手に取った。

 

すごくわかりやすく書かれている。いろんなケースを紹介し、その時のADHD生徒の気持ち、やりがちだけど良くない対応、オススメの対応が書かれているので、実践度が高い。

 

私が該当したのは、

  1. 身だしなみに無頓着
  2. 整理整頓が苦手
  3. やるべきことを後回しにする
  4. 興味のないことは疎かになる
  5. 物事に集中して取り組めない 

対策としては、とにかく具体的にすることと、興味関心をうまく使っていくことのようだ。身だしなみに関してはチェックリストを作り、整理整頓は決まったお片づけタイムを作ったり、作業を終了したら一つの箱にとりあえず放っておくとか。やるべきことはしっかりと明確にし、時間を決めてやる。ちゃんとできたら褒める(自分一人でやるから、自分へのご褒美とか)。

 

まあとりあえず、病院に通うほどでは全くない。あくまで「ADHD傾向」があるくらいにしか思っていない。それならそれでより自分にあった勉強法なり生活術なりを身につけちゃった方が得だよね、ってことで。勉強になりました。

 

私が発達障害という言葉に出会ったのは10年ほど前で、その時はかなりの驚きを覚えた。相手の表情が読み取れないので言葉だけの意味を受け取ってトラブルに発展してしまったり、相手の感情がわからないのでひどい言葉を悪気なく発してしまったり。なんだか世の中の重要な秘密を知ってしまったような気がした。そういうタイプの人、何人か学校にいたし。

 

当時は割とレアな情報だった気がするのだけれど、今ではネットで「アスペ」とか略語が使われているし(既に古いのかな)、本屋に行けば「大人の発達障害」なんて本がたくさんある。変な話だけれど、発達障害ブームと言っていい。知名度がぐんと上がっている。

 

みんなそれぞれ違うわけだし、特徴をうまく使って気持ちよく生存できたらいいですね。とりあえず私はお片づけタイムを設定することにします。

 

 

                    

26冊目

26冊目。
頭が良くなる議論の技術(2013)

頭が良くなる議論の技術 (講談社現代新書)
 

これ、すごく良い本だった。

 

私自身、議論に苦手意識がある。というか、今まで生きてきた中でそんなに機会がなかった。だから、たまに大学院卒の友人に会って話し合いが始まるとすごく疲れたりした。腹も立った。こういうことがしたいんじゃないんだ!

 

そこらへんの感覚が、この本には細かく書かれている。日本人は一般に議論が苦手だ。なぜなら、日本は「同調文化」であり、人間関係が重要視されるから。反論すると、あくまでそれは意見上のことなのに人格否定だと感じて気分を害し、関係が壊れることが多くある。また、基本的に議論というのは対等な立場で行われるものだが、日本は、先輩後輩、上司部下、年上年下などの関係性から離れるのが難しいために生産的な話し合いが行われにくいと。

 

じゃあ西欧はどうかというと、古代ギリシア時代から議論が盛んに行われた。有名なソクラテスプラトンアリストテレスを始め、多くの人間が真理を追求して議論した。そんな素地がある欧米には「反論文化」が存在し、むしろ反論しないでただ受容するというのは褒められたものじゃない風潮があるらしい。だって、ただ受け入れるなら発展性がないし、退屈だから。

 

進化論で有名なダーウィンは、自分の説に反論して欲しかったそうだ。そうすればその反論を乗り越えた一つの上の説を作ることができる。反論をポジティブに捉えている。科学はそうやって前進してきた。

 

著者は明治大学の教授でもあるので、普段から学生相手に授業をする。すると、やはり議論の時間になると、帰国子女や留学生が抜きん出るそうだ。それは能力の差というよりも文化の差。

 

日本と西欧の文化の差を埋めるために、著者はまずブレインストーミングから始めるべきだと説いている。確かにブレストなら相手の意見に対して肯定しかしないので反論耐性のない日本人でも大丈夫。そこで意見をいうことに慣れたら、あくまでスポーツとしてディベートを行い、次に議論へと。ただやはり、欧米スタイルは日本人には少し強すぎて反発を招く恐れがあるそうだ。その時に使う、さらっと反論の方法なんかもあって面白い。

 

著者は若い頃にとにかくあちこちに議論をふっかけ、相手を説き伏せることが大好きだったらしい。そんな乱暴な態度を取り続けた結果、多くの友人を失ったとか。本書は著者の自戒の念もあって、あくまでスポーツとしての議論、その時間が終わったら「今日も楽しかった!」「いやあ、いい発見があったね!」と笑顔で握手できるような議論のすすめになっている。

 

議論の仕方なんて一度も習ってない初心者だからこそ、得るものがすごく多かった。折に触れて読み返すと思う。反論とは必ずしもネガティブなものではなく、むしろ反論のおかげで前に進める。勉強になりました。

変化することについて

変化することについての重要性は、みんな主張しているし、知っている。

 

かの有名な進化論を唱えたダーウィンだって、この世界で生き残るのは強いものでも頭がいいものでもなく、変化に適応できるものだと言っている。どんどん時代の流れが早くなってきている現在、変化できる人は強いし、何より人生を楽しみやすい。

 

じゃあみんな変化しろよって話だけれど、そうは問屋がおろさない。変化は結構疲れるし、長年留まっていると動くことが怖くなったりもする。動かないことの方がリスクだったりもするが、しかしなんかやんやでズルズルと行ってしまう。

 

何でこんな話をしているかというと、私自身がそろそろ変化の時だなと思うからだ。今働いているバイト先がとにかくひどいシステムで、前からそこは飲み込んでいたのだけれど、いよいよしんどくなってきた。

 

数年前まではいろんなことが割とうまく機能していて、環境も悪くなかった。ところが最近、どんどんそれらが腐敗化してきて、ストレスのタネになってきている。

 

一言で言えば「変化の時だぜ!」なんだけれど、長年留まっていたがためにすごく腰が重い。変化が疲れるし、怖い。でも変わらないと希望はない。ぐずぐずである。

 

こういう文章を読んで共感してくれる人がいる一方で、「バカじゃん」で終わる人もいる。後者の人は合理的だったり、変化を面白がれる人だったり、行動力がある人。すげえなあと思う。

 

今、モーリーロバートソンさんの「悪くあれ!」を読んでいる。軽快で挑発的な文章を読んでいると、だんだんと高ぶってくる。なんかしたいぞ。

 

そんな3月。