中村の読書日記

読書を中心に、徒然なるままに

14冊目

14冊目。

入門 東南アジア近現代史

入門 東南アジア近現代史 (講談社現代新書)

入門 東南アジア近現代史 (講談社現代新書)

 

 前回に引き続き、岩崎育夫さんの本。

 

私は世界史の基礎知識が欠けているために、読むことにかなりの労力を要した。池上彰さんが言っていたけれど、やはり基礎が大事。ここが抜けていると色々めんどくさい。本を読むスピードを上げるためにも、一度歴史は高校の教科書でちゃんと学ぶのがいいのかも。

 

ざっくり歴史を説明すると、

第二次世界大戦終了→東西冷戦(西:インドネシア、マレーシア、シンガポール、フィリピン、タイ。東:ベトナムカンボジアラオス)→開発主義国家→民主化へ。

 

世界大戦を終え、東南アジアの国々が続々と独立。東と西に別れ、西は開発主義国家として経済を発展させていく。ちなみにこの中でフィリピンが予想以上に停滞し、「アジアの病人」と揶揄されたこともある。5冊目で読んだ。

 

冷戦が終結すると、西の5カ国だったASEANに東側も加入する。西を見習って経済発展を始める。

 

このあたりから、アメリカがグローバルスタンダードを唱えはじめ、世界の基準として民主化が浸透していくことになる。

 

今やASEANは6億を超える大きな集団となった。かつて一番経済的に交流していたのは日本だったが、今は中国である。先日ラオスに行った友人が、中国の開発がバンバン進んでしまってラオスらしさがなくなってしまったと嘆いていた。まあでも自国民からしたら発展することはいいニュースだろうし、あくまで無責任なトラベラーの意見だろうと思っていたら、現地の人からも「昔のラオスが好きだ」と言っていたそうだ。どうなんでしょう。

 

最後に。

著者は念を押して、これからはフィリピンとタイの動向をしっかり見ておくべきだと主張している。フィリピンは現在、ドゥテルテ大統領が飛ばしている。一歩間違えれば、民主主義の崩壊、危なっかしいことになる。タイは2016年に偉大なプミポン国王が亡くなった。彼は国民の多くから慕われており、彼が間に入ることでいくつもの争いは沈静化されてきた。そして今、息子が引き継いで王様になっている。タイで出会ったシンガポール人に聞いたが、あんまりよろしくないそうだ(この話題はタイではセンシティブ。王様の悪口を言うと「不敬罪」で牢屋行き)。確かに、ネットで検索すれば間抜けな画像が出てくる。彼が先代をしっかりと引き継ぎ機能するのか。あるいは、争いが始まってしまうのか。要チェックです。