61冊目
61冊目。
WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE. 〜現代の孤独と持続可能な経済圏としてのコミュニティ〜 (NewsPicks Book)
- 作者: 佐渡島庸平
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2018/05/09
- メディア: 単行本
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佐渡島さんの新刊。
やっぱり佐渡島さんの本は面白い。読んでいると時代がわかる。今はコミュニティの時代なんだな。
戦前は村社会で、知っている人だらけの世界で私たちは生きていた。そこには息苦しさとともに、安心感があった。戦後、地方から都市へ仕事を求めてやってきた。そこには気持ちのいい自由があった。しかし、隣に誰が住んでいるかは分からず、コミュニティといえば核家族の小さいものがメイン。不安が発生した。それを埋めてくれたのは終身雇用だった。
さて、現代。すでに終身雇用は崩壊し、晩婚化未婚化により核家族コミュニティも衰退しつつある。そんな中で、私たちはどう生きるか。どうコミュニティを作っていくか。
面白かったのが、しっかりと自分を知って自己紹介をしろというアドバイスだった。新しくコミュニティに属するとき、すでにそこにいる人たちは「新しい人によって文化が壊されないか」を心配している。不安にさらされている。だからこそ、安心させる必要がある。そのためには、しっかりと自分が何者であるかを説明すること。知らない人とは働きたくないし、楽しく遊べない。コミュニティの拡大のステップには、必ず新規の人を入れ、説明させて不安を取り除く作業が必要だと。
んで、それをするためには、自分を知らなければならない。自分を知ることとは簡単なようでなかなか難しい。面白い自己紹介ってあまり聞かないし。そこには謙遜もあると思うのだけれど、コミュニティにおいては不安を取り除くのが一番なのでその美徳に価値はない。面白い。
他にも、佐渡島さんはホリエモンが天才だと評するほどの能力の持ち主で、中学時代は南アフリカで過ごし、そのあと灘高、東大というステップを踏んだ人。しかしこれからの時代は学歴が価値を持たないと。なぜなら学歴があるとは、お利口さんな側面があるからだと。不便に耐えて頑張る能力ではなく、すぐにストレスに気づき、アイデアで乗り越えて行くスタイルがこれから必要な能力だと。その例に、アマゾンゴーやウーバー、エアビーなどを挙げている。我慢する時代は終わっていると。面白いなあ。そうなってくるとストレス耐性の低い私にも希望が見えてくる。
今バンコクにいる。バンコクにはBTSとMRTという主要な路線があるのだけれど、それらの接続には別のアイシーカードが必要だという謎のシステムがある。日本でいうと、中央線と大江戸線の接続にはスイカとパスモが必要だということ。観光客の数が日本を超えて3500万の国タイランドが、そんな簡単なこともできないのかと思うと本当にイライラする。さらに、改札機械のスピードが遅く、改札前で行列ができるという事態も起きている。アホかと。
こういう人が世界を前進させるのかもしれないね、なんちゃって。
読書は面白い。