中村の読書日記

読書を中心に、徒然なるままに

69冊目

69冊目。

ブログ界で有名なちきりんさんの著書。

 

ちきりんさんの本はチェックするようにしている。毎回たくさんの発見があって、頭のいい人ってすごいなあ、そりゃブログもヒットするわという思いをいつも持っている。

 

これからを生きていく上で重要なのは、論理的に考える力とマーケット感覚であり、本書は後者を論じる本になっている。ちなみにマーケット感覚とは「売れるものに気がつく能力」であり、「価値を認識する能力」のこと。

 

マーケットという言葉は個人的に馴染みがないのだけれど、確かに世界はマーケット化している。就活では学生と企業が互いを評価し、取引が行われている。一部の大企業に学生が集中する一方で、ブラックや魅力がない企業は人不足に悩まされる。学生側も同じ。恋愛だってそう。今までは閉じた世界の中で、何人かの候補の中から選んでいたわけだけれど、今はネットが普及したことで選択肢は大幅に広がった。可愛い女の子は地元の街で結婚して落ち着くのではなく、都会に行き、芸能界にチャレンジし、IT企業の社長と結婚する。世界はオープンになった。その中で私たちは価値を提供し、評価され生きていく。

 

市場を間違えると怖い。学歴、収入が低いけれどイケメンで性格も素晴らしい男性が婚活サイトで何連敗もしたという事例。これは彼が戦うマーケットを間違えている。数字が重要視される世界では、口下手だけれど高学歴高収入のタイプが勝利を獲得する。彼の場合はむしろ、合コンや友人の紹介など出会いから始めるスタイルに勝機がある。

 

すごく勉強になった考え方が2つあって、

  1. 企業に評価されるのではなく、マーケットから評価されることを目指せ
  2. 失敗の考え方をポジティブに。

 

自分が所属している企業や上司に評価されると嬉しい。しかし、そこに没入してマーケットをみないでいると、その会社でしか生きれない人材になってしまう。どこに行っても活躍できる自由を手に入れるには、マーケットから愛される必要がある。ゴールはマーケットにすること。

 

失敗というものに私たちはネガティブな思いを持ってしまいがちだけれど、そんなことはない。失敗するからこそ学習するのである。失敗しないということはできることしかやっていない証であり、成長してないことを意味する。昨日視聴した朝生で人工知能のテーマを取り上げていたが、お掃除ロボットルンバは最初とにかく部屋の壁にぶつかりまくるそうだ。それはぶつかることで距離のデータを集めていると。そしてしばらくしてデータ採集が完了すると、ぶつかることなく動いて掃除をするという話。まさに試行錯誤であり、その量を圧倒的に増やすことが成長であり改善。失敗を恐れている場合じゃない。

 

今はインターネットの発達により、多くのことが低コストでできるようになった。このブログだって、無料で書いているわけで。こうやって市場に放って、そこからのフィードバックを得て改善していく。しっかりできるようになるまでトレーニングするという発送は時代に合わない。とにかくリリースして、アップデートを繰り返していく。

 

面白い本でした。