中村の読書日記

読書を中心に、徒然なるままに

15冊目

15冊目。

10日暮らし、特濃シンガポール

10日暮らし、特濃シンガポール

10日暮らし、特濃シンガポール

 

 10日間シンガポールに滞在した森井ユカさんの紀行文。

 

タイトルを裏切らないですこれ。特濃。300ページ近い分量で、内容もぎっしり。正直これは何度かシンガポールを訪れたことがある人が読むのが正解かと。一度も行ったことがない私にはお腹いっぱい満腹で動けない。でもカヤトーストは食べてみたい。

 

内容はシンガポールのことだけではなく、チケットの取り方から海外旅行に必要な道具、おすすめアイテム、出国審査の自動化ゲート(事前に指紋を登録すれば、列に並ばずにすぐに作業を終えることができる。初めて知った!やってみたい!)など、海外旅行未経験者の人でも困らないような丁寧な作りになっています。著者は今まで約30カ国を訪れ、渡航回数は200回ということで、情報の質も良い。参考になること多し。

 

ちょっと分厚いけれど、シンガポール旅行に持っていくといいかもしれない。食べ物、スーパー、美術館など幅広く書かれていて出版も去年なので情報も新しい。地球の歩き方より軽いし!

 

それにしても、30カ国、200回はすごいなあ。私はまだ10カ国くらいしか行けていない。著者にとっては旅行も仕事の一部。羨ましい。

 

紀行文ってほとんど読んだことがなかったけれど、面白かった。私も書いてみようかしら。

14冊目

14冊目。

入門 東南アジア近現代史

入門 東南アジア近現代史 (講談社現代新書)

入門 東南アジア近現代史 (講談社現代新書)

 

 前回に引き続き、岩崎育夫さんの本。

 

私は世界史の基礎知識が欠けているために、読むことにかなりの労力を要した。池上彰さんが言っていたけれど、やはり基礎が大事。ここが抜けていると色々めんどくさい。本を読むスピードを上げるためにも、一度歴史は高校の教科書でちゃんと学ぶのがいいのかも。

 

ざっくり歴史を説明すると、

第二次世界大戦終了→東西冷戦(西:インドネシア、マレーシア、シンガポール、フィリピン、タイ。東:ベトナムカンボジアラオス)→開発主義国家→民主化へ。

 

世界大戦を終え、東南アジアの国々が続々と独立。東と西に別れ、西は開発主義国家として経済を発展させていく。ちなみにこの中でフィリピンが予想以上に停滞し、「アジアの病人」と揶揄されたこともある。5冊目で読んだ。

 

冷戦が終結すると、西の5カ国だったASEANに東側も加入する。西を見習って経済発展を始める。

 

このあたりから、アメリカがグローバルスタンダードを唱えはじめ、世界の基準として民主化が浸透していくことになる。

 

今やASEANは6億を超える大きな集団となった。かつて一番経済的に交流していたのは日本だったが、今は中国である。先日ラオスに行った友人が、中国の開発がバンバン進んでしまってラオスらしさがなくなってしまったと嘆いていた。まあでも自国民からしたら発展することはいいニュースだろうし、あくまで無責任なトラベラーの意見だろうと思っていたら、現地の人からも「昔のラオスが好きだ」と言っていたそうだ。どうなんでしょう。

 

最後に。

著者は念を押して、これからはフィリピンとタイの動向をしっかり見ておくべきだと主張している。フィリピンは現在、ドゥテルテ大統領が飛ばしている。一歩間違えれば、民主主義の崩壊、危なっかしいことになる。タイは2016年に偉大なプミポン国王が亡くなった。彼は国民の多くから慕われており、彼が間に入ることでいくつもの争いは沈静化されてきた。そして今、息子が引き継いで王様になっている。タイで出会ったシンガポール人に聞いたが、あんまりよろしくないそうだ(この話題はタイではセンシティブ。王様の悪口を言うと「不敬罪」で牢屋行き)。確かに、ネットで検索すれば間抜けな画像が出てくる。彼が先代をしっかりと引き継ぎ機能するのか。あるいは、争いが始まってしまうのか。要チェックです。

 

シンガポール

13冊目。
物語 シンガポールの歴史(2013年)

物語 シンガポールの歴史 (中公新書)

物語 シンガポールの歴史 (中公新書)

 

シンガポール。お洒落な国だと聞いています。国土が狭くて、自然がないショッピングの国。ゴミを捨てたら罰金。そして、リッチ。

 

でも、よくよく考えてみたら、シンガポールのことを全く知らない。世界史に出てきたっけ?全く覚えてない。なんだこの国は。

 

ということで、この本を手に取った。そしたらシンガポール、すんごく面白い国でした。

 

大雑把に歴史を辿ると、19世紀前半にイギリス人のラッフルズシンガポール島を植民地にして歴史が始まった。そのあと途中で日本の支配が少し入って、そのあとマレーシアから独立し、初代首相リー・クアンユーというガッツのあるトップが基本的な国づくりをしたという感じ。

 

シンガポールには、中国系が74%、次にマレー系が13%、そしてインド系が9%。多民族国家。かつて第二次世界大戦時にシンガポールを支配した日本は、華人を弾圧した。中国に攻め入った時、彼らの支援によって苦戦したと考えたからだ。彼らを一箇所に集め反日かどうか、共産主義かどうかを確認し、該当したものはトラックでセントサ島(ユニバーサルスタジオシンガポールがある島!)などに運ばれ、大きく掘られた穴の中で銃殺された。負の歴史。

 

もともとまとまりがなかったシンガポールだが、絶対だと思っていたイギリスが日本に敗れ、イギリス以上に高圧的な日本の支配を経験することで、自分たちのことは自分たちで守らなければと徐々に意識が高まっていく。

 

リー・クアンユーという人は徹底的に実利を優先した。シンガポールは東京23区と少しくらいの大きさしかない。資源もない。だから外国企業をどんどん誘致、彼らを高待遇するシステムを整備する。そうしないと生き残れないからだ。政治も文化も全ては経済発展のための手段。教育だって合理的に。小学生の段階から選抜テストを行い、能力分けを行う。能力のないものは進学の道が閉ざされていく。一方高校卒業時の優秀者には、海外留学を勧める。帰国後は数年間官僚として働くことを条件に政府が奨学金を給付するというシステム。優秀な人間こそが国を作るべきだ。徹底している。

 

おかげで、シンガポールは発展した。しかし、文化はスッカスカ。全てを経済に捧げてきた代償である。また、とにかく資源がないので、食べ物や水は隣国マレーシアとインドネシアに依存している。安全保障に関してはアメリカ。シンガポールの生殺与奪は外国が握っているという不安定さ。

 

ちなみに、今でも当時の日本支配を味わった世代や中国系の中には反日の人もいるらしい。そらそうだな。一方で若者は日本を好意的に見ており、自分たちシンガポール人よりも親切な国として捉え、アニメーションや日本文化を楽しんでいるようだ。

 

本当にこの本は面白かった。シンガポール行きたい。

15歳から社長になれる。

12冊目。
15歳から、社長になれる。ぼくらの時代の起業入門

家入一真さんの著書。元引きこもりの連続起業家。かつて東京都知事選にも立候補していた。ちょっと面白い人。

 

タイトルを読めばわかるように、この本は学生向けに書かれている。だから文章も簡潔でわかりやすい。私みたいな起業に対してなんの知識もない人にもおすすめ。株式会社は1円から作ることができるというのは初めて知った(ただ、会社を作るには「登記」という登録作業が必要で、これに20万円ほどかかるらしい。ちなみに、この登記に必要な印鑑登録ができるのが15歳からということで、15歳から社長になれます)

 

この人の考え方は私とちょっと似ていて、彼の基本的な主張はこうだ。

 

「世界は広くて正解も不正解もない。狭いところで深刻な顔していないで、もっと外に飛び出そう」

 

だから彼は起業を説く。大学生が「雇われること」だけにこだわり、自分をすり減らして最悪の場合自死を選んでしまう状況は不健全だと。他に起業という道があって、確かにリスクもあるけれど、日本人の50人に1人は社長なのだからそんなに特別なことでもない。社長のタイプにも様々な人がいて、こうでなくちゃダメだなんてこともない。著者は元引きこもりだ。引きこもりだって社長になれるんだよ。

 

起業した人たちは、自由の喜びを主張する。好きな時間に起きられるし、スタッフも選べるし、自己裁量できるところが大きいから素晴らしいと。もし雇われならば、嫌な上司の言うことを聞かなくてはいけないし、毎朝しっかり起きなきゃいけないし、息苦しいと。でも、これは人による。自由にできるってことは逆に言うと責任が自分にあるから。お金が自動で入ってくることもないわけで。実際、私の周りにいる元飲食店の自営業者は、雇われる方が楽だと話している。自分はどっちがいいかを考えるのは大事なことですね。私はおそらく雇われタイプ。

 

最後に。


「決断というのは大きいことをしようとするから発生する。それって心理的プレッシャーになるし、ない方がいい。小さく物事を始めるのがオススメ」ってのは決断が苦手な私にとって役立つメッセージでした。

 

小さく始めよう。

会話力

11冊目
すごい「会話力」

すごい「会話力」 (講談社現代新書)

すごい「会話力」 (講談社現代新書)

 

私はすごくおしゃべりが好きだ。会話こそが幸福の源泉だと思っている。カラオケとかボーリングとか行っても、あまり面白いとは感じない。そんなことより、俺は君とゆっくり話したいんだよ!

 

先日も、1年ぶりに会った知人と8時間もカフェでおしゃべりを楽しんだ。さすがにそこまでやると脳が疲弊する。でも、心地よい疲労だ。最近は本を読み始めているので話すネタも増えて、とても素敵な時間を過ごせた。

 

そんな私が手に取った本。すごい会話力、良いタイトルだ。是非とも習得したい。

 

面白いなと思ったのが、「オープンバディ」を勧めていたこと。体から無駄な力を抜き、笑顔で上機嫌、テンポよく行こうと。確かにこれはすごく大事で、その人に不機嫌な空気が蔓延していたらもうそれだけで私は興味を無くす。上機嫌の人って得だよなあと思う。

 

会話ってのは主に、経験知と新情報によって成り立っている。だから面白い会話をしたければ、人生経験を豊かにすることと、情報を増やすことにある。確かにその通りだなと。モースの「贈与論」も引用していて、要は相手から情報をもらっているだけでは良くない。自分もちゃんと返礼しなさいと。ないならないでしょうがないが、誠意を尽くしてリアクションを良くしようと説く。わかる。リアクションってすごく重要だよね。話を支配しているのは実は聞き手で、そのリアクション云々で話も変わってくる。聞き上手な人って圧倒的に不足している感覚だから、みんなそこを目指せば大人気間違いなし!

 

ある程度まで収入が増えてくると、それ以降は幸福度が上がらないというデータがある。面白いね本当にそうなるのかね。で、上がらなくなった幸福度をどう上げるかと考えたとき、会話こそがそれを担うと著者は主張しているんだけれど、なるほどなあと。会話は面白い。古代ギリシャ時代の人たちは、奴隷制度で生活に余裕があったので、あちこちで議論することを最高の喜びとした。人は話すことが好きなのだ。気も晴れるし。

 

人生とはネタ作りだ。面白いことをしよう!

TOEICを受けた2

去年の7月にTOEICを受けた。ボコボコでした。この時の点数は、580点であった。

 

今日、TOEICを再び受験した。なぜかって、こういうイベントを設定すれば英語勉強のモチベーションやらレベルチェックやらに有効だろうと思ったからだ。5000円以上も払っているし。よく言うでしょう、身銭を切れば真剣になると。

 

でもそれ、私には適用されなかった。

 

いやあ、半年ぶりだったけれど、相変わらずボッコボコだ。てか、腕時計を忘れてる時点でやる気が見られない。いやいや、実はもう昨日からサボりたくてしょうがなかった。だって勉強していないからだ。最後は周りの人に受験すると言った手前、なけなしの見栄でなんとか会場に向かったのだった。。。

 

わからない音だけが聞こえてくる45分リスニング、全くスムーズに読めない75分のリーディング。何の進歩も見られない。本当に腹が立った。準備してないテストほど腹が立つものはない。落ち度は120パーセント自分にあるのだけれど、腹立つものは腹が立つ。机ぶっ壊してやろうかと思うくらいだった。参った。

 

テストが終わって思ったこと。

 

もう、TOEICやめよう。

 

はっきり言って、私にはTOEICを受けるしっかりとした理由がない。受験やら出世やら会社やらで点数を求められているわけじゃない(受験した人たちには学生以外の人も多く見られた。おそらくは会社で求められているのだろう。あるいは英語の教員?)。だから仮に高得点を叩き出しても、明確な利はない。TOEICを設定すれば日々の英語学習の質が上がるかと思ったが、全く効果はない。

 

ってか、英語って私には必要ないのではないかと。旅で使ったり、外国人の友人とコミュニケーションをするときに使うけど、それなら今の英語力でそんなに困らない。じゃあそれで良くない?

 

やってみればわかるけれど、高得点を取るためには、大量の英語を読み、高速の英語を聞き取る力が必要だ。と言うことは、しっかり勉強する必要がある。英語の能力を求められているわけではない現環境において、モチベは生まれないという当然の結論。

 

と言うことで、とりあえず英語の勉強はやめる。これ以上つまらない時間とお金は使いたくない。

 

バイバイ、TOEIC

銃社会

記念すべき10冊目。
「知ってても偉くないUSA語録」

知ってても偉くないUSA語録

知ってても偉くないUSA語録

 

前回読んだシリーズの続編。2012〜14年の内容。

 

今回一番興味深かったのが、アメリカの銃事情だ。

 

アメリカにおいて自動車は登録制だが、銃は違う。警察と軍隊以外に、市場にはたくさんの銃が出回っている。精神障害者でも犯罪者でも買える。アンビリーバボー。

 

ミシガン州では、病院やスポーツ観戦に銃の持ち込みが認められている。ミズーリ州では酔っ払った状態でも所持オッケー。これってすごく怖くないか。いや、むちゃくちゃ怖い。銃は規制した方がい、日本と同じように持てなくした方がいいじゃないか!

 

しかしアメリカ人はそうは考えない。銃乱射事件が発生しているのだから銃規制の方に流れてもいいはずなのだが、むしろ銃規制に反対の人が増えている。アメリカ人の思考として、危険だから無くそう、ではなく、危険だから所持して自分たちの身を守らなくては!になるらしい。ふーむ。

 

アメリカで大きな力を持っているのが、NRA(全米ライフル協会)である。彼らの票を獲得することが選挙の結果を左右するので、銃規制に賛成することは容易ではない。そもそもアメリカという国は、イギリスを武力で倒して成立した国。もしも悪い政府が生まれれば、国民で潰すのだと考える国。無くならないでしょう。

 

それにしてもアメリカという国は本当に多様な意見があるなあと読んでて思う。もちろん日本にだってあるんだろうけれど、なんというか、そんなに顕在化していない。あまり主張する国民性でもないし。アメリカは訴訟社会だと聞いたことがあるけれど、納得だ。一度もアメリカに行ったことがないちょっと本を読み始めたくらいの私には正直、「めんどくさそうな国」という印象。

 

アメリカ人といろんな話題を話してみたいなあ。結構ヒートアップしそうだ。こちらに悪気がなくても差別的な発言や、宗教的にNGなことを口走るかもしれない。日本はクリスチャンでもないのに教会で式をあげたりクリスマスを祝ったりとゆるゆるだけれど、欧米はそうはいかないから。

 

今年中に行けたらいいな。